病気があっても転職できる？症状別の仕事への向き合い方や転職時のポイントを紹介

「病気で退職したがスムーズに仕事を探せるのか不安…。」

「難病や事故の後遺症で転職できる自信が持てない…。」

上記のようなお悩みを抱えたことはありませんか？

「体調不良」「事故の後遺症」「難病」などの症状を抱えている方は、転職に成功できるのかといった不安を感じる人も少なくありません。

「うつ病や心身症などの精神疾患は精神面のケアと仕事のバランス感覚を重視する」「難病の人は公的機関で受けられるサポートを最大限活用する」など、病気の症状別に仕事への向き合い方を検討する姿勢が大切です。

また、「体調面と仕事のバランス感覚を意識する」「行政や福祉の制度を最大限活用する」「前向きな動機で転職する」などのポイントを意識することで、理想の職場へ転職できます。

今回は症状別の仕事への向き合い方、病気の人が転職する際のポイント、転職時の注意点、病気の人が働きやすい職種、転職時に活用すべき転職エージェント5選についてご紹介します。

本記事を参考にしながら、理想の職場へ転職しましょう。

【症状別】仕事への向き合い方

以下における病気の症状別に、仕事への向き合い方を検討する必要があります。

• うつ病や心身症などの精神疾患
• 難病
• 適応障害
• 病気や事故などの後遺症
• 原因が特定できない体調不良

うつ病や心身症などの精神疾患を抱えている方は、精神面のケアと仕事のバランス感覚を重視しましょう。

また、難病を患っている方は、公的機関で受けられるサポートを最大限活用する姿勢が大切です。

他には、「適応障害は周囲への相談と医療機関の受診」「病気や事故などの後遺症は医療機関へ通院しながら仕事に取り組む」などのポイントを意識しましょう。

うつ病や心身症などの精神疾患

うつ病や心身症などの精神疾患を抱えている方は、精神面のケアと仕事のバランス感覚を重視しましょう。

精神的にネガティブになっている場合は仕事の対人関係もマイナス思考で受け止めやすく、過度に自分自身を卑下する傾向があるためです。

また、肉体面が疲弊している場合は、体の負担が増えることでイライラしやすくなります。

うつ病や心身症の対処法として、「家族や知人に意見を聞いてもらう」「休息を意識する」「医療機関で処方される治療薬を服用する」などがあります。

家族や知人に意見を聞いてもらうことで、凝り固まった視野を柔軟に広げられます。

様々な意見を聞きながら柔軟な考え方を持てるため、うつ病や心身症で自分自身を卑下する意識を改善できます。

難病

難病を患っている方は、公的機関で受けられるサポートを最大限活用しましょう。

医療機関で処方される「内服薬」「外用薬」「対処療法」などを積極的に活用しながら、良い状態で仕事に取り組めるようコンディションを調整する必要があります。

難病の症状で体調不良となった場合は、同僚や上司に相談しながら無理のない状態で仕事を続ける柔軟な姿勢も大切です。

体調不良で仕事に取り組めない場合でも、素直に自分自身の体調不良を周囲に伝えることで、難病の症状を周囲に理解してもらえるきっかけとなります。

医療機関で受けられるサポートを活用しながら、周囲へ働きかける気持ちを忘れずに仕事へ取り組みましょう。

適応障害

適応障害を患っている方は、「悩みごとを抱えている場合は周囲に相談する」「精神科を受診して治療を受ける」などの方法を取り入れましょう。

例えば、1つのことに行き詰まってフリーズ状態に陥っている場合なら、現状を知人や家族に話すことで、柔軟で客観的な視野を得られます。

また、仕事とは別に生きがいや趣味を持つことで、仕事への思いやプレッシャーを適度にクールダウンできます。

適応できない状態に陥る前に、「周囲の理解者に現状を相談する」「医療機関の治療薬を服用する」などの対処法に取り組みましょう。

病気や事故などの後遺症

病気は事故などの後遺症に悩む方は、医療機関へ通院しながら仕事に取り組みましょう。

後遺症による心身の痛みが影響することで、仕事のパフォーマンスが低下するためです。

医療機関を受診し、後遺症に適した治療薬や対処療法に取り組むことで、体調不良の影響を最小限に抑えられます。

病気や事故による後遺症は、肉体面のケアを意識しましょう。

原因が特定できない体調不良

原因が特定できない体調不良の場合「医療機関の受診」「身体的な症状に意識を向ける」「計画的に休息日を設ける」「食生活や睡眠時間など日頃の過ごし方」などに取り組みましょう。

最初に医療機関を受診し、身体的な症状の有無をチェックします。

医療機関のサポートを得ながら「今日は少しフラフラする」「腰が痛い」「頭痛がする」など心身の症状に耳を傾けることで、突発的な体調不良を改善できます。

少し体調不良なら「休息する」「治療薬やサプリメントを服用する」ことで、入院するといったような大きな事態になることを予防できます。

また、計画的に休息日を設けるためにも、スケジュール帳に休んだ日を記載して体の負担を軽減しましょう。

他には、「食生活で栄養バランスを意識する」「6時間以上は睡眠時間を確保する」など、日頃の過ごし方にも意識を向けて免疫力や体力をつけましょう。

病気の人が転職する際のポイント

病気の人が転職する際のポイントとして、以下の7点が挙げられます。

• 体調面と仕事のバランス感覚を意識する
• 行政や福祉の制度を最大限活用する
• 前向きな動機で転職する
• キャリアの棚卸しに取り組む
• 計画的に転職活動を進める
• 応募先企業の情報を幅広くリサーチする
• 転職エージェントを活用する

体調面と仕事のバランス感覚を意識しながら、転職活動を進めましょう。

市役所や行政で利用できる制度について、最大限活用する姿勢が大切です。

他には、「前向きな動機で転職する」「キャリアの棚卸しに取り組む」「計画的に転職活動を進める」などのポイントを意識しましょう。

体調面と仕事のバランス感覚を意識する

体調面と仕事のバランス感覚を意識しながら、転職活動を進めましょう。

「難病」「うつ病」「突発的な体調不良」などを予防するためにも、感情をコントロールしながら良い状態で転職活動を進める必要があります。

例えば、体調不良で転職活動に集中できないと感じるならば、休日に思い切って転職活動をオフにすることで、心身の疲れをとりやすくなります。

気持ちのオンとオフを切り替えるためには、「休みの日は徹底して休む」「転職活動や仕事に打ち込む日は徹底して取り組む」ことに注力しましょう。

また、1ヵ月ごとの予定を書き込める見開き型のスケジュール表を購入し、決まっている予定を次々と書き込むことでスケジュールを管理しやすくなります。

例えば、1ヵ月で休息日が少ない場合は、過労で体調不良になったといった小さな気づきも得やすくなります。

1ヵ月間を見渡せる大きなスケジュール帳を購入し、ベストコンディションで仕事に取り組める状況を作りましょう。

行政や福祉の制度を最大限活用する

市役所や行政で利用できる制度について、最大限活用しましょう。

例えば、以下のような制度を活用することで、病気の人でも生活を維持しやすくなります。

休職中に活用できる制度	制度の概要
自立支援医療（精神通院医療）	「統合失調症」「統合失調症型障害及び妄想性障害」「気分障害」「てんかん」などの精神疾患が対象 各都道府県・指定都市が実施している ※以下は一例 千葉県 自立支援医療制度（精神通院） 東京都福祉局 自立支援医療（精神通院医療）について 大阪市 自立支援医療（精神通院）
傷病手当金	病気やケガで会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給される 以下4つの条件を全て満たした場合に支給される ・業務外の事由による病気やケガの療養のための休業 ・仕事に就くことができない ・連続する3日間を含み4日以上仕事に就けない ・休業期間で給与の支払いがない 傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヵ月 傷病手当金の支給を開始した日が令和2年7月1日以前の場合は、支給を開始した日から最長1年6ヵ月 支給される傷病手当金の1日あたりの金額＝{（支給開始月以前の継続した12ヵ月における、各月の標準月額を平均した金額）}÷30×⅔
失業保険（雇用保険）	失業中の生活を心配することなく、新しい仕事を探して再就職できるように支援するために支給される手当 給付の受け取りの有無は「任意」となっていて、受給を希望する場合は離職者が申請する必要がある 失業手当（失業保険）を受給するためには一定の条件を満たす必要がある
障害年金	病気やけがによって、生活や仕事などが制限される場合に受け取れる 国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」を請求できる
生活保護	毎日の生活の中で病気や事故で働けなくなったり、離別や死別で収入がなくなったなど、何らかの原因によって生活に困っている人に対し、自分の力、または他の方法で生活できるようになるまで援助を受けられる

行政の制度を最大限活用し、病気を抱えている人でも現状の生活を維持できるよう工夫しましょう。

前向きな動機で転職する

転職したい場合は、前向きな動機で転職しましょう。

転職活動は「前向きな転職」「後ろ向きな転職」の2種類があり、前向きな動機なら意欲的な仕事の姿勢を採用担当者に表現できるためです。

前向きな転職理由	転職理由の詳細	転職理由が前向きな背景
筋ジストロフィーの難病を患っていて、筋力が低下した時でも働ける事務職へ転職したい	筋ジストロフィーの難病で筋力が低下した場合でも、事務職で在宅ワークを選び、体調の変化に合わせて働きたい	筋ジストロフィーの難病を卑下せず、体力に合わせて貢献できる仕事を探している
むち打ちや耳鳴りの後遺症があり、体力や体調の変化に合わせて働きやすい在宅ワーク（Webライター）に転職したい	急な嘔吐などの症状が起こる可能性があり、出社する移動時間で体調不良が起こるのか気になる また、将来的には、在宅で取り組めるビジネスを始めたい	むち打ちや耳鳴りの後遺症における体調不良を受け止め、自分に合った仕事へ転職したいと考えている 将来的に独立し、体調に気を付けながら働くことでキャリアアップを目指している
これまでの経験を活かせる異業種へキャリアチェンジしたい	これまでメーカーの製造工程を担当していたが、製品の設計や企画を担当できる企業へ転職したい	これまでの経験を活かして有益なサービスや商品を生み出したい気持ちに、仕事の意欲を感じさせる
親を介護しながら、完全在宅で働ける仕事へ転職したい	親の介護をしながら完全在宅で働き、プロジェクトマネージャーの実務経験を活かせる仕事に就職したい	プロジェクトマネージャー職や高スキルのプログラミングスキルなど、即戦力をアピールできる
地元で同業種の企業に転職したい	地元の求職者に重点を置き、現職と同じキャリアコンサルタントとして求職者の転職活動をサポートしたい	首都圏のキャリアコンサルタント業は多いが、地元の就職サポートを希望する部分に仕事への熱意を感じる

一方で、後ろ向きな気持ちの転職動機として、以下が挙げられます。

後ろ向きな転職理由	転職理由の詳細	転職理由が後ろ向きな背景
病気を理由に掲げて、楽な仕事で働きながら給料を得たい	事務職でデスクに座り、勤務時間が経過することで給料を得たい	「仕事を覚える」「できる業務を探す」など、仕事へ前向きに取り組む姿勢が欠けている
難病を患っていることを理由にして、手を抜きやすい仕事へ転職したい	高年収の求人へ応募し、難病を主張して手を抜きながら高い給料を得たい	転職先へ貢献できる要素がなく、仕事を続けても必要な人材だと理解されにくいため、結果的にキャリアアップできない
現職の人間関係から逃げたい	現職の人間関係を一新し、気持ちを新たに立て直したい	現職で思い通りに仕事を進められない点が課題として残っている 転職後にも同じ状況に陥ることで、離職するケースが想定できる
仕事を変えて気分転換したい	現職に喜びを見い出せないため、転職することで気分を一新したい	人間関係や仕事内容で躓く原因を分析できていないため、転職先の仕事でも腑に落ちないことがある場合に離職する
仕事に喜びを感じられない	仕事に喜びを感じられず、充実感を得たいため転職したい	仕事をマイナスに受け止めているため、転職後も早期離職しやすいと受け止められる
世間体で好印象を与えられる仕事に転職したい	公務員や学歴が必要な仕事など、世間体を気にして仕事を選ぶ	自分自身が社会的に貢献したい思いではなく、自分自身の周囲からの評価を気にしている

「仕事に喜びを感じられない」「会社の経営方針が気に入らない」などのマイナスな気持ちは、仕事で不都合なことや人間関係の軋轢などが生じた場合に、早期離職するイメージを抱かれます。

結果的に採用が遠ざかり、転職活動をスムーズに進められない原因になります。

次に、「仕事を変えて気分転換したい」といった転職理由を掲げているケースを想定しましょう。

一見するとポジティブな転職理由に受け止められますが、「現職の人間関係から逃げたい」といった転職理由と根本的には同じように考えられます。

「環境を一新したい」意味では前向きに感じますが、奥深くに内在する転職理由について考えることで、ネガティブな転職理由が潜んでいるケースもあるためです。

また、後ろ向きな転職理由の場合でも、転職理由について掘り下げることで前向きな転職理由に変換できます。

転職したい理由について振り返り、前向きな動機で転職活動をはじめましょう。

キャリアの棚卸しに取り組む

転職エージェントを利用する際には、キャリアを棚卸ししましょう。

キャリアの棚卸しとは、これまでの実務経験や保有スキルについて振り返る作業です。

具体的には、仕事や勤務年数ごとに分けて、これまでの実務経験や獲得したスキルについて振り返ります。

休職中で現職に付いていない場合は、これまで携わった仕事内容の実務経験や保有スキルについて振り返ります。

キャリアを棚卸しすることで、スムーズに理想の職場へ転職しましょう。

計画的に転職活動を進める

計画的に転職活動を進めることで、理想の職場へ転職しやすくなります。

一般的な傾向として、転職活動には6ヵ月以上のまとまった期間が必要なためです。

そのため、計画性を持ちながら、長期的な視点で転職活動を進める視点が大切です。

具体的には、以下のようなスケジュールで転職活動を進めていきます。

転職活動の手順	転職活動にかかる期間
自己分析・情報収集	2週間
書類作成・応募	2週間
面接	4～5週間
内定・入社検討	1週間
引き継ぎ・退職・入社準備	5週間

また、内定の獲得後は、業務の引き継ぎや退職時の手続きに5週間程度の期間がかかる点に注意しましょう。

内定の獲得後に退職に関する手続きが完了していない場合は、内定が取り消される可能性があります。

理想の職場へスムーズに転職するためにも、計画的に転職活動を進めましょう。

応募先企業の情報を幅広くリサーチする

求人へ応募する前には、応募先企業の情報について幅広くリサーチしましょう。

求人票から得られる情報以外に、実際に働いている従業員の方や福利厚生の制度についてもチェックする必要があるためです。

具体的には、以下における複数の口コミサイトを活用し、応募先企業の労働環境についてチェックします。

口コミサイト	口コミサイトの詳細
OpenWork	社員や年収における1,500万件の口コミを掲載している 「働きがいのある企業ランキング」を毎年発表している
enライトハウス	気になる会社をフォローすることで、新着情報をリアルタイムで得られる 女性の口コミも多数掲載している
キャリコネ	登録企業数が62万社以上 「労働時間」「仕事のやりがい」などのランキングから、口コミを探せる
転職会議	企業トップページに「業績情報」「総合評価」「残業時間」「有給消化率」の項目について、一覧で掲載されている
はたらくホンネ	「職場の雰囲気」「企業風土」「社員の裁量」などのデータについて、企業トップページから視覚的に把握できる 企業内の口コミを希望職種のみ検索できるため利便性が高い

主体的に転職活動を進めるためにも、複数の口コミサイトで応募先企業の情報についてチェックしましょう。

転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用することで、病気を抱える人でもスムーズに転職活動を進められます。

登録先の転職エージェントはキャリアアドバイザーが在籍していて、「面談スケジュールの調整」「自分自身に適した求人を厳選して紹介してもらえる」などのサポートを受けられるためです。

現在の病気についてもキャリアアドバイザーに相談することで、体調面に無理のない状態で転職活動を続けられます。

また、転職エージェントによって、「保有している求人数」「利用可能な転職セミナーの種類」などが異なるためです。

具体的には、以下3つの転職エージェントを利用する際に、保有している求人数や利用可能な転職セミナーの種類に違いがあります。

転職エージェント	求人数	開催している転職セミナー
リクルートエージェント	47万件以上（2024年10月18日時点）	自己PRと志望動機の作成セミナー 「Uターン」「Iターン」転職希望者向けのオンラインセミナー 職務経歴書の書き方セミナー 転職エージェントFULL活用セミナー
doda	26万件以上（2024年10月17日時点）	面接力アップセミナー 英文履歴書・英語面接対策セミナー 自己分析セミナー UIターン転職セミナー（「Uターン転職」や「Iターン転職」を目指す人向けの進め方やノウハウ）
マイナビエージェント	8万件以上（2024年10月18日時点）	「未経験者で年収アップしたい」「将来性のある業界に転職したい」「マーケティング分野に携わりたい」など、個別相談会を実施している

例えば、リクルートエージェントなら、他の転職エージェントより豊富な求人数を取り揃えています。

また、「ITやエンジニア」「金融・不動産」など、幅広いジャンルにおける転職エージェントの担当者がいるため、転職チャンスを最大限に広げられます。

病気の人が転職する際の注意点

病気の人が転職する際の注意点として、以下の5点が挙げられます。

• 体調が快復するまで転職活動しない
• 病気や難病を卑下しない
• 焦らず転職活動を続ける
• 休職中で転職活動したい場合は会社の就業規則をチェックする
• 履歴書や面接で病気や既往歴を詳細まで伝える必要はない

「病気」「体調不良」「難病」などの症状がある人は、体調が回復するまで転職活動しないよう留意しましょう。

また、病気や難病で転職することについて、自分自身を卑下しない姿勢が大切です。

他には、「焦らず転職活動を続ける」「休職中で転職活動したい場合は会社の就業規則をチェックする」「履歴書や面接で病気や既往歴を詳細まで伝える必要はない」などのポイントもチェックしましょう。

体調が快復するまで転職活動しない

「病気」「体調不良」「難病」などの症状がある人は、体調が回復するまで転職活動しないよう留意しましょう。

体調不良の状態で転職する場合は表情に活力がなく、面談時に採用担当者へ好印象を与えにくいためです。

また、普段は柔らかな言動で面談ができる人でも、激痛の痛みが発生している場合は尖った言い方として受け止められる可能性もあります。

転職活動をスムーズに進めるためにも、自分自身の体調が良い状態にコンディションを調整しましょう。

病気や難病を卑下しない

病気は難病で転職することについて、自分自身を卑下しないよう留意しましょう。

病気や難病の原因を把握し、ベストコンディションの状態に体調を維持することで前向きに仕事へ取り組めるためです。

自分自身の心身の不調に気づき、体の声に耳を傾けながらメンテナンスする習慣を身に付けることにもつながります。

繊細な心身の不調に耳を傾ける習慣を良いことだと受け止めながら、前向きに転職活動を進めましょう。

焦らず転職活動を続ける

病気や難病を抱えている人は、焦らず転職活動を続けましょう。

焦らず病気や難病を受け入れてもらえる職場を探し続けることで、自分に合った仕事を見つけられるためです。

一般的には、転職活動は6ヵ月間程度の時間がかかります。

早急に転職できなくても、精神的なゆとりを持ちながら転職活動を続けましょう。

休職中で転職活動したい場合は会社の就業規則をチェックする

現在の仕事で休職中の方は、転職活動を始める前に会社の就業規則をチェックしましょう。

休職中は転職活動が可能なケースが多いですが、現職における会社の就業規則によって、休職中の転職活動を認めていない場合もあります。

また、就業規則については、以下のように労働者へ周知することが義務付けられています。

第百六条使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第十八条第二項、第二十四条第一項ただし書、第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、第三十八条の三第一項並びに第三十九条第四項、第六項及び第九項ただし書に規定する協定並びに第三十八条の四第一項及び同条第五項（第四十一条の二第三項において準用する場合を含む。）並びに第四十一条の二第一項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。

引用元：労働基準法 e-GOV法令検索

就業規則が周知されていない場合は、企業に閲覧を希望することで開示できます。

現職における転職活動の有無について、会社の就業規則をチェックしましょう。

履歴書や面接で病気や既往歴を詳細まで伝える必要はない

履歴書や面接では、病気や既往歴の詳細まで伝える必要はありません。

転職先の仕事に支障がある場合の病気や難病について知りたいため、業務に関係しない病気の詳細まで聞かれる必要がないからです。

例えば、病気や体調不良を上手にコントロールしている場合は、病気についての申告は不要です。

また、パニック障害を抱えていて、運転中にパニックを引き起こす可能性がある場合なら、運転中に事故を引き起こすリスクを考慮して事前に伝えます。

通勤や仕事の業務中に支障をきたす可能性の有無を検討しながら、病気について伝えるべきか判断しましょう。

病気の人が働きやすい職種

病気の人が働きやすい職種として、以下5つの仕事があります。

• 事務職
• プログラマー・システムエンジニア
• 軽作業
• Webライター
• Webデザイナー

一般事務や経理などの事務職はデスクワークが中心となっていて、高度な専門知識を持っていなくても転職しやすい職種です。

また、プログラマーやシステムエンジニアは、パソコンやスマホで使用するソフトウェアやアプリケーションを開発します。

他には、「軽作業」「Webライター」「Webデザイナー」などの仕事が適しているケースがあります。

事務職

一般事務や経理などの事務職はデスクワークが中心となっていて、高度な専門知識を持っていなくても転職しやすい職種です。

職場側も合理的配慮の環境を整えやすく、身体的な負担を軽減しながら仕事に取り組めます。

また、難病を抱えていて、会社まで出社することが難しいケースなら、リモートワークへの切り替えを提案してもらえる場合もあります。

病気や障がいで体調面の波があり、仕事で疲れやすい人におすすめです。

プログラマー・システムエンジニア

プログラマーやシステムエンジニアは、パソコンやスマホで使用するソフトウェアやアプリケーションを開発する仕事です。

クライアントの要望をもとに設計やプログラミングに取り組み、保守を担当するケースもあります。

プログラミング言語やデータベースなどの知識の習得、パソコンやツールなど専門的な知識が求められますが、テレワークに対応している企業もあるため、出社することが難しい病気や障害を持っている人におすすめです。

軽作業

軽作業は体力面で自信があり、ルーティーンをこなすのが得意な人におすすめの職種です。

個人で取り組む作業が多い軽作業の仕事ならコミュニケーションが少ないケースもあり、うつ病などの精神疾患を抱えていても働きやすくなります。

また、仕事内容によって、黙々と同じ作業を繰り返すことがあり、突発的な対応に自信が持てない適応障害の人にもおすすめです。

Webライター

Webライターは、Web上のコンテンツ（記事）を制作する仕事です。

「個人が抱える悩みの解決に役立つ記事」「企業のメディアに掲載する広報用の記事」など、制作したコンテンツが幅広い方の目に留まり、企業の認知度が向上する営業的な側面としての役割があります。

また、Webライターは、「正社員」「フリーランス」などの雇用形態があり、将来的にフリーランスで体調に合わせて時間をマネジメントしながら働くことも可能です。

他には、個人のメディアやブログを立ち上げることで、独自の媒体から有益な情報を発信できます。

Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトをデザインする職種です。

「見た目の美しさ」もさることながら、ユーザーの使いやすさや見やすさなど、市場で提供される商品やサービスに適したプロダクトデザインの要素も考慮する必要があります。

また、将来的にフリーランスのWebデザイナーとして独立し、ディレクションやコーディング業務に1人で携わる場合もあります。

【転職時に活用すべき】転職エージェント5選

転職時に活用すべき転職エージェントを5つご紹介します。

転職エージェント	おすすめポイント
リクルートエージェント	47万件以上の求人を掲載している 「Web」「営業」「事務」「企画」など、各職種に精通しているキャリアアドバイザーが在籍
doda	26万件以上の求人を掲載している チャット上から転職相談をはじめられる
ワークポート	北海道から沖縄まで52拠点が利用できる 「IT」「営業」「建設」「製造」「事務」の業界における求人を取り揃えている
atGP	オンライン面談から転職に関する相談ができる 完全無料で利用できる
LITALICOワークス	2023年度に2,000名以上の方の就職を実現している 15年以上の事業実績があり、豊富な転職支援の実績やノウハウを蓄積している

それぞれの転職エージェントにおける特徴やメリットを参考にしながら、自分に合ったサイトを選びましょう。

リクルートエージェント

対応可能なエリア	全国（オンライン面談にも対応）
登録者数	非公開
求人数	47万件以上（2024年10月18日時点）
転職可能な職種	営業・販売・カスタマーサービス/企画・マーケティング・経営/事務・管理/物流・購買・貿易・店舗開発/コンサルタント/金融専門職/不動産専門職/クリエイティブ/SE・ITエンジニア/エンジニア（設計・生産技術・品質管理）/建築・土木・設備/医療・医薬・化粧品/講師・調理師・介護
拠点	東京本社/西東京支社/宇都宮支社/さいたま支社/千葉支社/横浜支社/京都支社/大阪支社/神戸支社/名古屋支社/静岡支社/北海道支社/東北支社/岡山オフィス/広島オフィス/福岡支社
運営会社	株式会社リクルート 〒100-6640 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー
おすすめポイント	47万件以上の求人を掲載している 「Web」「営業」「事務」「企画」など、各職種に精通しているキャリアアドバイザーが在籍

リクルートエージェントは、「Web」「営業」「事務」「企画」など、各職種に精通しているキャリアアドバイザーが在籍している転職エージェントです。

転職を希望する分野のキャリアアドバイザーから的確なアドバイスを受けられるため、理想の職場へ転職できます。

また、保有している求人数が47万件以上となっていて、幅広い仕事へ転職できる可能性を検討できます。

希望する業界に精通したキャリアアドバイザーへ相談しながら、自分に合った仕事を探したい人におすすめですよ。

doda

対応可能なエリア	全国（オンライン面談にも対応）
登録者数	約665万人
求人数	26万件以上（2024年10月17日時点）
転職可能な職種	営業職企画/管理事務/アシスタント販売/サービス職専門職（コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人）金融系専門職公務員・教員・農林水産関連職/技術職（SE・インフラエンジニア・Webエンジニア）/技術職（機械・電気）/技術職（組み込みソフトウェア）/技術職・専門職（建設・建築・不動産・プラント・工場）/技術職（化学・素材・化粧品・トイレタリー）/技術職（食品・香料・飼料）医療系専門職/クリエイター・クリエイティブ職
拠点	丸の内本社/丸の内第二オフィス/大手町オフィス/南青山オフィス/紀尾井町オフィス/浅草橋オフィス/西新宿オフィス/横浜第二オフィス/みなとみらいオフィス/北海道オフィス/北海道第二オフィス/東北オフィス/東北第二オフィス/静岡オフィス/中部オフィス/中部第二オフィス/関西オフィス/関西第三オフィス/大阪オフィス/京都オフィス/神戸オフィス/岡山オフィス/広島オフィス/九州オフィス/九州第二オフィス/南九州オフィス
運営会社	パーソルキャリア株式会社 〒100-6328 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング27F
おすすめポイント	26万件以上の求人を掲載している チャット上から転職相談をはじめられる

dodaは、26万件以上の豊富な求人を掲載している転職エージェントです。

ホームページ上から「在宅勤務」「フレックス勤務」「外資系企業」などの詳細条件を設定することで、希望する求人をスムーズに見つけられます。

また、チャット上から転職相談をはじめられるため、スキマ時間を活用しながら効率的に転職活動を進められます。

チャット上から転職相談をはじめて、理想の職場へ転職したい人におすすめですよ。

ワークポート

対応可能なエリア	全国（オンライン面談にも対応）
登録者数	非公開
求人数	94,000件以上（2024年03月18日時点）
転職可能な職種	SE・システムエンジニア/機械、電気・電子、素材等/営業職/医療系専門職/コンサルタント、監査法人、士業関連/金融専門職（開発・運用・投資銀行系業務・審査・査定）/不動産専門職(マンション管理・賃貸管理・不動産開発)/クリエイティブ/経営・企画・管理・販売・サービス事務/建築設計・土木・プラント・設備
拠点	銀座オフィス/神奈川支社/北海道支社/宮城支社/名古屋支社/京都支社/大阪支社/大阪支社/兵庫支社/福岡支社
運営会社	株式会社ワークポート 〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-4 天王洲ファーストタワー6F
おすすめポイント	北海道から沖縄まで52拠点が利用できる 「IT」「営業」「建設」「製造」「事務」の業界における求人を取り揃えている

ワークポートは、北海道から沖縄まで52拠点を利用できる転職エージェントです。

大手企業から地元企業、リモートワークの求人まで幅広く取り揃えています。

また、これまでの転職相談実績は83万人となっていて、数多くの転職支援実績があるキャリアアドバイザーへ転職相談できます。

地方やリモートワークなどの求人を含めて、転職を検討したい方はおすすめですよ。

atGP

対応可能なエリア	全国（オンライン面談にも対応）
登録者数	非公開
求人数	1,200件以上（2024年10月17日時点）
転職可能な職種	一般事務・営業事務/総務・人事/財務・経理/法務/広報/受付・秘書/入力・テレフォンオペレーター/庶務・メールルーム/販売スタッフ・接客・店長/バックヤード・商品管理/マーケティング・広告関連/メディア/コンサルタント/IT・エンジニア/SEプログラマ/セキュリティエンジニア/ネットワークエンジニア/社内情報システム/ヘルプデスク/生産・製造技術/機械・電子機器設計/品質管理・生産管理・メンテナンス/建築土木設計・測量・積算・施工管理/生産・製造オペレーション/CADオペレーター/Web編集者/Web制作/DTPオペレーター/ヘルスキーパー/通訳・翻訳/研究開発/医療関連職/軽作業/清掃
拠点	東京本社/名古屋/大阪
運営会社	株式会社ゼネラルパートナーズ 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディング9階
おすすめポイント	オンライン面談から転職に関する相談ができる 完全無料で利用できる

atGPは、オンライン面談から転職に関する相談ができる障がい者向けの転職エージェントです。

「在宅ワーク」「時短勤務」「未経験」「大企業」など、幅人い求人を取り揃えています。

また、障がい者向けの転職エージェントは一部有料のサービスがありますが、atGPは完全無料で利用できるため、利用料の負担が気になる人でも手軽に利用できます。

利用料が無料となっていて、オンライン面談から転職に関する相談をはじめたい人におすすめですよ。

LITALICOワークス

対応可能なエリア	要問い合わせ
登録者数	非公開
求人数	非公開
転職可能な職種	非公開
拠点	北海道/宮城/東京/神奈川/埼玉/千葉/群馬/栃木/愛知/静岡/三重/大阪/兵庫/奈良/京都/滋賀/岡山/広島/福岡/宮崎/熊本/沖縄
運営会社	株式会社LITALICO 〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒ＧＴタワー15F/16F/20F
おすすめポイント	2023年度に2,000名以上の方の就職を実現している 15年以上の事業実績があり、豊富な転職支援の実績やノウハウを蓄積している

LITALICOワークスは、2023年度に2,000名以上の方の就職を実現している障がい者向けの転職エージェントです。

これまでに就職前の職場体験となる企業インターンを4,500以上実施していて、企業インターンに参加することで、転職前に自分に合った仕事を見極めやすくなります。

また、15年以上の事業実績があり、豊富な転職支援の実績やノウハウを蓄積していることから、的確なサポートを受けられます。

事業実績が豊富で、企業インターンへ積極的に参加したい人におすすめですよ。

病気があり転職したい人に関するQ＆A

病気があり転職したい人に関するQ＆Aをご紹介します。

抱えている悩みと同じ項目を見つけた際には、参考にしてみてください。

病気を乗り越えて理想の仕事を見つけよう

今回は症状別の仕事への向き合い方、病気の人が転職する際のポイント、転職時の注意点、病気の人が働きやすい職種、転職時に活用すべき転職エージェント5選についてご紹介しました。

「うつ病や心身症などの精神疾患は精神面のケアと仕事のバランス感覚を重視する」「難病の人は公的機関で受けられるサポートを最大限活用する」など、病気の症状別に仕事への向き合い方を検討する姿勢が大切です。

また、「体調面と仕事のバランス感覚を意識する」「行政や福祉の制度を最大限活用する」「前向きな動機で転職する」などのポイントを意識することで、理想の職場へ転職できます。

本記事を参考にしながら、理想の職場へ転職しましょう。